我が輩プテラノドン(わからない人はこちら)は、おでかけの時はいつもボルサリーノをかぶっていた。
お気に入りをすでに2つ持っていたのだが、あるクリスマスのころ、いつもの伊勢丹で「赤いボルサリーノ」を見つけてしまったのだ。
「ちょっと小さいかな」などと言い訳を探して一度は帰ったものの、諦めきれずに家でもん絶していたら、見かねた奥さんが「また見に行く?」と言ってくれた。
つい甘えて伊勢丹に舞い戻り、購入。実際に今も頻繁にかぶっている。
ちなみに、我が輩の頭上を圧倒的な気品で包み込み、今回の『甘えと恩返しの無限ループ』の引き金となった、世界最高峰の高級帽子ボルサリーノがこれである。一度かぶれば、誰もが街をスタイリッシュに闊歩する恐竜と化すのだ。ククク。
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……が、当時はハッとした。パタパタ。
つねにおねだりするのが我が輩のスタイルだが、何もしないで先におねだりをしてしまった。
これはマズい。
先におねだりしてしまった!我が輩の危機と大決意
そこで我が輩は閃いた。 伊勢丹の靴下売り場からカラフルな靴下が減って、奥さんに買えていなかったのだ。
「よし、我が輩が奥さんの靴下を編もう!」 さっそくジュンク堂で本を買い、ユザワヤで糸と針を揃えたのだが……。
靴下の世界は、セーターとは全くの「別世界」だった。
針を2本重ねた状態で始めるって何!?つま先から編んで、かかとで3つに分かれて、また繋いで……。
あまりの複雑さに頭がパニックになったが、諦めるわけにはいかない。
ちなみに、つま先の増し目で我が輩の翼をもぎ取りにかけ、5本の針が交差する異次元のコックピットで地獄の格闘を共にした最強の靴下編み専用針がこれ。この極細の針を操ってこそ、真の恩返しが始まるのである。イタタ!
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ネットの動画を見て必死にイメージトレーニングを重ね、いざ突撃!
まず、つま先の「増し目」が慣れなくて翼がもげそうになりながら数日(イタタ)。
なんとか1週間かけて難所の「かかと」まで辿り着いたが、ここが本当にややこしい。
かかと部分を何度も反転させながら編むのだが、集中していると、両サイドに刺さっていた編み針がポロポロと抜け落ちるのだ。
本には載っていない「洗濯ばさみ戦法」
「本には書いてないが、これしかない!」 我が輩は、抜ける両サイドを洗濯ばさみでガッチリ止めるという、またしても独自の邪道テクニックを開発。
糸が緩んで若干いびつになりつつも、洗濯ばさみ戦法でなんとか両足分(計1ヶ月!)を編み上げた。
ちなみに、我が輩の洗濯ばさみ戦法による猛攻を受け止め、奥さんの足元を世界で一番カラフルに染め上げた、最高に愛らしい編み糸がこれ。どれだけ歪に編もうとも、この糸の発色がすべてを「よかよか!」な芸術へと変えてくれるのだ。
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小さな靴下針のせいで翼はバキバキに凝ったが、これでボルサリーノの恩返しは完了だ、ククク。
我が輩の頭は赤、奥さんの足元はカラフル。
これで一緒に出かけると、パジャマやセーターの時みたいに、周りまでパッと明るくなるのだ。
よかよか!パタパタ。 (実際、ちょっといびつなのに今でも喜んで履いてくれています)
高級な帽子を買ってもらったから、高級なブランドものの靴下を返す。
それも悪くないけれど、既製品が売っていないなら「自分の時間と、もげそうな翼(労力)」を投資して、この世にひとつのものを編み上げてみる。
これぞ、プテラノドン流の最高の帳消し(恩返し)スタイルです。
みなさんも、パートナーに「ちょっと大きな甘え(おねだり)」をしてしまった時は、お財布を開く代わりに、あえて「相手のために自分の時間をめちゃくちゃ削るお返し」をしてみてはいかがでしょうか?
不器用な洗濯ばさみの跡が見え隠れするプレゼントでも、きっとその「費やした時間」ごと、愛着を持って使ってもらえるはずですよ!パタパタ。




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